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2007年度 大阪府生協連「政策討論集会」

トップ 雪氷圏への影響 地球温暖化と農業 IPCCの排出シナリオと現実の排出量の経緯 国際交渉の経緯

図1 拡大
図2 拡大
図3 拡大
図4 拡大
[講 師]地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
専務理事 早川 光俊 氏

進む地球温暖化と京都議定書の目標達成に向けて

こんにちは。ご紹介いただきました早川です。CASAが日頃からいろいろとお世話になり有難うございます。CASAが設立されてちょうど20年目になります。私は30年前に弁護士になったのですが、その時から西淀川大気汚染公害裁判に取組みまして、その過程で今はお亡くなりになりましたが、大阪消団連の下垣内さんに相談して、当時は5つの生協の皆さんにご相談して、このCASAという団体を設立しました。今は「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議」というふうになっておりますが、設立時は「大気汚染を考える市民会議」だったのです。西淀川大気汚染公害裁判の時から、生協の皆さんにはお世話になってまいりました。本当に有難うございます。
今日は、地球温暖化問題が今どのような状況になっているのか。とりわけ昨年ノーベル平和賞を取ったIPCCが、発表した第4次報告書の内容をご紹介する形で今の地球温暖化の状況と、今年の1月1日から第1約束期間が始まった京都議定書について、また私たち市民、消費者は何をしたらいいのかということを、1時間位でお話したいと思います。
加速する温暖化
レジメに「加速する温暖化」と書きました。今回のIPCCの第4次報告書の特徴は、地球温暖化が加速しているということを明らかにしたことです。あらゆる側面で温暖化が加速しています。最近12年(1995~2006年)のうちの11年は、観測以降で最も温暖な12年に入る。温度計による観測が始まったのが150年くらい前ですが、それ以降地球全体の平均気温の高いところから並べると、その内12番目までに1995年以降の11年が入っている。この100年間で世界の平均気温は0.74℃上昇し、最近50年の昇温傾向は過去100年のほぼ2倍である。そして、こういった科学者の報告書ではたいへん珍しいことですが、「温暖化は、大気や海洋の世界平均気温の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇が観測されていることから、疑う余地がない」と断定しています。要するに100%の確信度で温暖化が起こっていることを断定したわけです。
この図1は、過去1000年の温度変化を表しています。(図1)ゼロは1961年~1990年の30年間の平均気温をゼロにしています。それから見ると、過去1000年間はどちらかというと緩やかに右下がり傾向で、しかも0.5℃の範囲内で推移してきたことが分かります。最近150年くらい前から、図の赤いところですけれども、上昇し始めて現在このレベルです。過去1000年の平均からいくと0.74℃上昇してしまったということです。地球上の平均気温というのは非常に安定していまして、少なくとも過去1万年は平均気温15℃で推移してきたというふうに言われていますが、それが過去100年で0.74℃上がってしまった。図2は、先ほどの図1のグラフの赤くなったところだけを取り出した、過去150年くらいの推移をグラフにしたもので、この赤いバーは過去150年の傾向、紫のバーは過去100年の傾向、橙色が50年、黄色が最近の25年の傾向を表しています。だんだん傾きが大きくなっているのが分かっていただけると思います。要するに、温暖化が加速しているということが、これを見て分かっていただけると思います。(図2)
図2の上の吹き出しは、過去150年で最も暖かかった12年を示しています。もっとも暖かかったのは1998年です。2番目が2005年、3番目が2003年、2002年、2004年、2006年、2001年というふうに並んでいます。1995年以前でベスト12に入っているのは1990年だけです。おそらく去年2007年も5番目か6番目に入って来ると思われますので、これを見ても最近非常に異常な高温が続いていることが分かっていただけると思います。
増加する大気中の温室効果ガス濃度
平均気温だけではなく、その原因になっている二酸化炭素を中心とする温室効果ガスも加速的に濃度が増加している。産業革命以前、過去150年より前は、だいたい地球上の一酸化炭素濃度は約280ppmでした。現在は約380ppmです。280ppmをどうイメージしたらいいかというと、1m×1m×1mの箱を考えて下さい。1mは100㎝ですから、この箱は100万cm3になります。そこに角砂糖を入れる。角砂糖は1㎝×1㎝×1㎝角ですから、1cm3です。ppmは百万分の1ということですから、縦・横・高さ1mの箱の中に角砂糖を1個入れると、これが1ppmになります。百万分の1ですね。だから、縦・横・高さ1mの空気の中に角砂糖280個分くらいの二酸化炭素があったのが、現在100個増えて、380個くらいになったと、そんなイメージです。現在の380ppmというのは、過去65万年の自然変動の範囲(180-300ppm)をはるかに上回っています。濃度の増加率も最近は1.9ppmずつ毎年上がっています。かつては1.5ppmずつくらい上がっていたと言われていたのですが。ここでも、温暖化が加速していることが分かります。
これはIPCCの第2次報告書に載っている過去1万年のCO2濃度の推移です。(図3)最近の150年くらいをグラフの箱の中に示していますが、過去1万年くらい前からゆるやかに増加していますが、だいたい270ppm前後で安定していたのが、最近150年の推移を1万年単位で見ますと1直線に上がってしまっている。これが現在おこっている状態です。しかも最近は毎年約2ppmずつ上がっています。そして、今回のIPCCの報告は温暖化が起こっているということは100%の確信度で断定したわけでありますが、その原因については、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源(私たち人間の活動によって排出された)の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い」と書いています。「かなり」の色を変えておきましたが、実は6年前の第3次報告書は「可能性が高い」と書いてありました。「かなり」が入ってなかったのですね。IPCCは、「可能性が高い」と「かなり高い」とどう違うかということについては、「可能性が高い」というのは66%以上の確信度であり、「かなり高い」は90%以上だと言っています。IPCCは世界から2500人とか3000人とかの科学者や研究者が参加している組織ですから、世界の科学者は温暖化が起こっていることは100%の確信度で断定し、その原因が私たち人間の活動によるものだとほぼ断定した。90%以上の確信度で断定したということです。
その根拠になった解析がこの図です。(図4)これは、北アメリカ・南アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・アジア・オセアニアの6大台陸の、そしてまた世界全体・陸地全体・海洋全体ということでグラフが作られていますが、何を解析したかといいますと、世界の非常に大きなこういった気候問題を解析するコンピュータを使って、過去100年間の気温を遡ってコンピュータで予測してみた。青い帯、赤い帯、そして黒い実線がありますが、黒い実線が実際に観測された平均気温です。青い帯が自然起源の要因のみを考慮して、過去100年の平均気温を予測してみたものです。自然期限の要因とは、太陽活動と火山活動です。太陽活動が活発化すると、地球にもたくさんエネルギーがきますから暖かくなります。火山が爆発すると大気中に塵をまき散らしますので、太陽光が遮られて気温は低くなる。こういった要素で解析したのがこの青い帯です。それに人為的な人間が出した温室効果ガスの効果を入れて解析したのが赤い帯です。すべての大陸と、世界全体、陸地全体、海洋全体が、1970年頃からは黒い実線が赤い帯に沿って推移しているのが分かります。要するに1970年頃からの現在起こっている異常な平均気温上昇というのは、人為起源、人間活動の要素を入れないと説明出来ないということを示しています。こういった解析を根拠に、90%以上の確信度をもってIPCCは人間活動が温暖化を起こしているというふうに言っているわけです。
[講 師]地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
専務理事 早川 光俊 氏

進む地球温暖化と京都議定書の目標達成に向けて

こんにちは。ご紹介いただきました早川です。CASAが日頃からいろいろとお世話になり有難うございます。CASAが設立されてちょうど20年目になります。私は30年前に弁護士になったのですが、その時から西淀川大気汚染公害裁判に取組みまして、その過程で今はお亡くなりになりましたが、大阪消団連の下垣内さんに相談して、当時は5つの生協の皆さんにご相談して、このCASAという団体を設立しました。今は「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議」というふうになっておりますが、設立時は「大気汚染を考える市民会議」だったのです。西淀川大気汚染公害裁判の時から、生協の皆さんにはお世話になってまいりました。本当に有難うございます。
今日は、地球温暖化問題が今どのような状況になっているのか。とりわけ昨年ノーベル平和賞を取ったIPCCが、発表した第4次報告書の内容をご紹介する形で今の地球温暖化の状況と、今年の1月1日から第1約束期間が始まった京都議定書について、また私たち市民、消費者は何をしたらいいのかということを、1時間位でお話したいと思います。
加速する温暖化
レジメに「加速する温暖化」と書きました。今回のIPCCの第4次報告書の特徴は、地球温暖化が加速しているということを明らかにしたことです。あらゆる側面で温暖化が加速しています。最近12年(1995~2006年)のうちの11年は、観測以降で最も温暖な12年に入る。温度計による観測が始まったのが150年くらい前ですが、それ以降地球全体の平均気温の高いところから並べると、その内12番目までに1995年以降の11年が入っている。この100年間で世界の平均気温は0.74℃上昇し、最近50年の昇温傾向は過去100年のほぼ2倍である。そして、こういった科学者の報告書ではたいへん珍しいことですが、「温暖化は、大気や海洋の世界平均気温の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇が観測されていることから、疑う余地がない」と断定しています。要するに100%の確信度で温暖化が起こっていることを断定したわけです。
この図1は、過去1000年の温度変化を表しています。(図1)ゼロは1961年~1990年の30年間の平均気温をゼロにしています。それから見ると、過去1000年間はどちらかというと緩やかに右下がり傾向で、しかも0.5℃の範囲内で推移してきたことが分かります。最近150年くらい前から、図の赤いところですけれども、上昇し始めて現在このレベルです。過去1000年の平均からいくと0.74℃上昇してしまったということです。地球上の平均気温というのは非常に安定していまして、少なくとも過去1万年は平均気温15℃で推移してきたというふうに言われていますが、それが過去100年で0.74℃上がってしまった。図2は、先ほどの図1のグラフの赤くなったところだけを取り出した、過去150年くらいの推移をグラフにしたもので、この赤いバーは過去150年の傾向、紫のバーは過去100年の傾向、橙色が50年、黄色が最近の25年の傾向を表しています。だんだん傾きが大きくなっているのが分かっていただけると思います。要するに、温暖化が加速しているということが、これを見て分かっていただけると思います。(図2)
図2の上の吹き出しは、過去150年で最も暖かかった12年を示しています。もっとも暖かかったのは1998年です。2番目が2005年、3番目が2003年、2002年、2004年、2006年、2001年というふうに並んでいます。1995年以前でベスト12に入っているのは1990年だけです。おそらく去年2007年も5番目か6番目に入って来ると思われますので、これを見ても最近非常に異常な高温が続いていることが分かっていただけると思います。
増加する大気中の温室効果ガス濃度
平均気温だけではなく、その原因になっている二酸化炭素を中心とする温室効果ガスも加速的に濃度が増加している。産業革命以前、過去150年より前は、だいたい地球上の一酸化炭素濃度は約280ppmでした。現在は約380ppmです。280ppmをどうイメージしたらいいかというと、1m×1m×1mの箱を考えて下さい。1mは100㎝ですから、この箱は100万cm3になります。そこに角砂糖を入れる。角砂糖は1㎝×1㎝×1㎝角ですから、1cm3です。ppmは百万分の1ということですから、縦・横・高さ1mの箱の中に角砂糖を1個入れると、これが1ppmになります。百万分の1ですね。だから、縦・横・高さ1mの空気の中に角砂糖280個分くらいの二酸化炭素があったのが、現在100個増えて、380個くらいになったと、そんなイメージです。現在の380ppmというのは、過去65万年の自然変動の範囲(180-300ppm)をはるかに上回っています。濃度の増加率も最近は1.9ppmずつ毎年上がっています。かつては1.5ppmずつくらい上がっていたと言われていたのですが。ここでも、温暖化が加速していることが分かります。
これはIPCCの第2次報告書に載っている過去1万年のCO2濃度の推移です。(図3)最近の150年くらいをグラフの箱の中に示していますが、過去1万年くらい前からゆるやかに増加していますが、だいたい270ppm前後で安定していたのが、最近150年の推移を1万年単位で見ますと1直線に上がってしまっている。これが現在おこっている状態です。しかも最近は毎年約2ppmずつ上がっています。そして、今回のIPCCの報告は温暖化が起こっているということは100%の確信度で断定したわけでありますが、その原因については、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源(私たち人間の活動によって排出された)の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い」と書いています。「かなり」の色を変えておきましたが、実は6年前の第3次報告書は「可能性が高い」と書いてありました。「かなり」が入ってなかったのですね。IPCCは、「可能性が高い」と「かなり高い」とどう違うかということについては、「可能性が高い」というのは66%以上の確信度であり、「かなり高い」は90%以上だと言っています。IPCCは世界から2500人とか3000人とかの科学者や研究者が参加している組織ですから、世界の科学者は温暖化が起こっていることは100%の確信度で断定し、その原因が私たち人間の活動によるものだとほぼ断定した。90%以上の確信度で断定したということです。
その根拠になった解析がこの図です。(図4)これは、北アメリカ・南アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・アジア・オセアニアの6大台陸の、そしてまた世界全体・陸地全体・海洋全体ということでグラフが作られていますが、何を解析したかといいますと、世界の非常に大きなこういった気候問題を解析するコンピュータを使って、過去100年間の気温を遡ってコンピュータで予測してみた。青い帯、赤い帯、そして黒い実線がありますが、黒い実線が実際に観測された平均気温です。青い帯が自然起源の要因のみを考慮して、過去100年の平均気温を予測してみたものです。自然期限の要因とは、太陽活動と火山活動です。太陽活動が活発化すると、地球にもたくさんエネルギーがきますから暖かくなります。火山が爆発すると大気中に塵をまき散らしますので、太陽光が遮られて気温は低くなる。こういった要素で解析したのがこの青い帯です。それに人為的な人間が出した温室効果ガスの効果を入れて解析したのが赤い帯です。すべての大陸と、世界全体、陸地全体、海洋全体が、1970年頃からは黒い実線が赤い帯に沿って推移しているのが分かります。要するに1970年頃からの現在起こっている異常な平均気温上昇というのは、人為起源、人間活動の要素を入れないと説明出来ないということを示しています。こういった解析を根拠に、90%以上の確信度をもってIPCCは人間活動が温暖化を起こしているというふうに言っているわけです。
図1 拡大
図2 拡大
図3 拡大
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