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COP15に参加して

コープ自然派ピュア大阪 専務理事 鎌田妙子

「温暖化防止COP15 ネットワーク関西」代表団の1人として、COP15の会場、コペンハーゲンのベラセンターにむけて12月10日関空を出発し、会議の閉会より一足早く17日に帰国しました。あらたな地球温暖化防止の国際的枠組みをつくるという大きな期待を受けてCOP15 は始まり、119カ国の首脳は最後まで議論を続けてきました。しかし先進国、新興国、途上国のそれぞれの立場と利益がからんで、決裂だけは避けられましたが、懸案は積み残したまま会議は終了しました。参加した者として残念な思いでいっぱいですが、
今、行動を起こさなければもう間に合わないと言われる状況では、私たちには落胆している時間は残されていないのです。
私たちはNGOとしてこの会議に参加してきましたが、会場のベラセンターはふだん見本市会場というだけあってとても広く、会議場も総会をするプレナリーホールから小会議場まで様々あり、史上最高の3万人を超えるNGO関係者が参加し、どの会議場にも会議や打ち合わせをする人の姿があり、プレスルームにも、カフェテリアにも人であふれていました。日程が後半にすすむにつれ、非公開会議が増え傍聴できる会議が少なくなってきましたが、ツバルやアマゾン地方など様々な国の環境問題に取り組むNGOのブースでは積極的に来場者に働きかけが行われていました。また環境NGOのネットワークが温暖化交渉で後ろ向きの発言をした国に贈る「本日の化石賞」を表彰するブースもあり、(着物姿の)日本(女性)が不名誉な1位を受賞するところも見ることができました。9月の鳩山イニシアティブ発表以来受賞のなかった日本に贈られたことに周囲に驚きの声も上がっていましたが、「貧乏くじを一人で引かないぞ」というような、交渉の進展を滞らせていた日本の強硬な姿勢に対しての痛烈な批判だったと思います。
私たちはデンマークにほんの数日間滞在しただけでしたが、フォルケホイスコーレ(国民高等学校)やエコビレッジ、デイケアセンターを見学し、教育や福祉そして環境の取組みについて多くのヒントを持ち帰ることができました。コペンハーゲン近郊のエコビレッジ「ムンクセゴー」は、環境によい暮らしをしたいという思いで10年前に建設された、100世帯の様々な年代の人が住む村です。当時の最新技術が導入されて建てられた5棟の住居棟では環境に配慮する様々な工夫がされていました。このような例だけでなく、デンマークでは国の環境やエネルギー政策に国民の意志が大きくかかわり、個人の知恵もお金もそこに活かされています。
オイルショック前の1972年、デンマークのエネルギー自給率は日本と同じく2%だったそうです。現在は140%を超えていて、しかも自然エネルギーの占める割合が年々大きくなっています。それは風力発電だけでなく、さまざまな再生可能エネルギーが利用されています。都市では家庭から出る可燃ゴミを熱電併給発電所で処理し、地域冷暖房が行われています。また農村では木材や麦わらのバイオマス燃料や養豚の糞尿を利用したバイオガスで電気と温水を供給して、環境汚染も防止しているそうです。帰国後そんな話を周りにすると「デンマークにできることが技術力もある日本でなぜできないの?」という素朴な反応が返ってきます。日本は世界に2020年までに温室効果ガス25%削減することを約束しました。この目標達成には国も産業界も、そして市民も努力が求められるでしょうが、低酸素化社会に向けて原子力ではなく自然エネルギーを利用すること、自然エネルギーでエネルギー自給率を高めていくことを目指すべきです。私たち市民は知恵と創意工夫で、暮らしの中から行動を始めていきましょう。
コープ自然派ピュア大阪 専務理事 鎌田妙子

「温暖化防止COP15 ネットワーク関西」代表団の1人として、COP15の会場、コペンハーゲンのベラセンターにむけて12月10日関空を出発し、会議の閉会より一足早く17日に帰国しました。あらたな地球温暖化防止の国際的枠組みをつくるという大きな期待を受けてCOP15 は始まり、119カ国の首脳は最後まで議論を続けてきました。しかし先進国、新興国、途上国のそれぞれの立場と利益がからんで、決裂だけは避けられましたが、懸案は積み残したまま会議は終了しました。参加した者として残念な思いでいっぱいですが、
今、行動を起こさなければもう間に合わないと言われる状況では、私たちには落胆している時間は残されていないのです。
私たちはNGOとしてこの会議に参加してきましたが、会場のベラセンターはふだん見本市会場というだけあってとても広く、会議場も総会をするプレナリーホールから小会議場まで様々あり、史上最高の3万人を超えるNGO関係者が参加し、どの会議場にも会議や打ち合わせをする人の姿があり、プレスルームにも、カフェテリアにも人であふれていました。日程が後半にすすむにつれ、非公開会議が増え傍聴できる会議が少なくなってきましたが、ツバルやアマゾン地方など様々な国の環境問題に取り組むNGOのブースでは積極的に来場者に働きかけが行われていました。また環境NGOのネットワークが温暖化交渉で後ろ向きの発言をした国に贈る「本日の化石賞」を表彰するブースもあり、(着物姿の)日本(女性)が不名誉な1位を受賞するところも見ることができました。9月の鳩山イニシアティブ発表以来受賞のなかった日本に贈られたことに周囲に驚きの声も上がっていましたが、「貧乏くじを一人で引かないぞ」というような、交渉の進展を滞らせていた日本の強硬な姿勢に対しての痛烈な批判だったと思います。
私たちはデンマークにほんの数日間滞在しただけでしたが、フォルケホイスコーレ(国民高等学校)やエコビレッジ、デイケアセンターを見学し、教育や福祉そして環境の取組みについて多くのヒントを持ち帰ることができました。コペンハーゲン近郊のエコビレッジ「ムンクセゴー」は、環境によい暮らしをしたいという思いで10年前に建設された、100世帯の様々な年代の人が住む村です。当時の最新技術が導入されて建てられた5棟の住居棟では環境に配慮する様々な工夫がされていました。このような例だけでなく、デンマークでは国の環境やエネルギー政策に国民の意志が大きくかかわり、個人の知恵もお金もそこに活かされています。
オイルショック前の1972年、デンマークのエネルギー自給率は日本と同じく2%だったそうです。現在は140%を超えていて、しかも自然エネルギーの占める割合が年々大きくなっています。それは風力発電だけでなく、さまざまな再生可能エネルギーが利用されています。都市では家庭から出る可燃ゴミを熱電併給発電所で処理し、地域冷暖房が行われています。また農村では木材や麦わらのバイオマス燃料や養豚の糞尿を利用したバイオガスで電気と温水を供給して、環境汚染も防止しているそうです。帰国後そんな話を周りにすると「デンマークにできることが技術力もある日本でなぜできないの?」という素朴な反応が返ってきます。日本は世界に2020年までに温室効果ガス25%削減することを約束しました。この目標達成には国も産業界も、そして市民も努力が求められるでしょうが、低酸素化社会に向けて原子力ではなく自然エネルギーを利用すること、自然エネルギーでエネルギー自給率を高めていくことを目指すべきです。私たち市民は知恵と創意工夫で、暮らしの中から行動を始めていきましょう。