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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を見学

場所:デンマーク コペンハーゲン
期間:2009年12月10日—17日暖化防止COP15関西ネットワーク
COP15大阪府生協連代表団 
大阪教育大学生協学生委員会代表

松尾 有香


私は大阪教育大学生協代表として、12月10日から17日にかけてデンマークのコペンハーゲンでCOP15に参加させてもらうというツアーに行かせてもらった。初めて海外に行くということもあってワクワクしていた。
大阪からコペンハーゲンまでは、ドイツのフランクフルトで乗り継ぎをして約13時間かかり、かなりの長旅であった。
<スケジュール>
12/10 出国
12/11 終日COP15に参加
12/12 NGOのパレードに参加
12/13 エコビレッジ ムンクセゴーを見学
12/14 デイケアセンター(老人ホーム)とフォルケホイスコーレ(国民高等学校)を見学
12/15 終日COP15に参加
12/16,17 帰国
☆12/11この日初めてCOP15が開催されているベラセンターに足を踏み入れた。すると、会場にはたくさんNGOのブースがあり、自分たちの主張を説明していてかなりにぎわっていた。また政府関係者や報道機関の人たちもたくさんいて会場内は活気にあふれていた。COP15では、2013年以降の温暖化で深刻な被害を受ける途上国に対する先進国による資金支援策を決めるということもあり、途上国出身の人も多いなと感じた。
会議は12/7から始まっているので、もちろんこの日も会議が行われていた。しかし、コンタクトグループの会議(「共有ビジョン」「適応」「資金」「技術」「排出削減の緩和」「途上国による緩和」)や、条約AWG関係で「途上国の森林減少の防止(REDDプラス)」「途上国による排出削減」「全体の排出削減」「共有ビジョン」「適応」などの会議は非公開で交渉が進められていた。
☆ 12/12 午前中は会議を聞き、午後はパレードに参加した。パレードには5万人以上の世界の環境NGOや一般市民が参加していた。私はペンギンの着ぐるみの着て、約6キロの道のりを行進した。ほかの団体はバラードを歌って行進していたり、大声出していきなりしゃがみ込んで走り出したりする団体もいた。見ているだけで楽しくなるようなパレードだった。また、コペンハーゲンという町のある一点に、世界中から環境について関心がある人が集まっているっていうのはすごいことだなとそこに立って実感できた。
ちなみにこの日は日本が今回初めて化石賞1位を受賞した。化石賞というのは、その日の交渉でもっとも後ろ向きな発言や行動をした国に与えられる賞だ。なぜそのような賞を受賞したかというと、議定書AWGの場で議長が出した草案に対して、日本は主要な排出国が削減しなければ第2約束期間はやらないと発言したからだ
☆12/13 エコビレッジ ムンクセゴーを見学した。ムンクセゴーはデンマークに約100あるエコビレッジの1つだ。このエコビレッジは、若い人と老人と家族のグループにわけていて、約250人で共同生活している。グループでどうやったら持続可能に簡単でエコにくらせるかを話し合ったり、週3で一緒に食事したり、廃棄物処理・庭の手入れなどを話し合って決めていて、全く普通に暮らしていてもエコできるように考えている。共同生活なので人間関係のいろいろのために仲介役がいる。
ゴミの分別も行っている。段ボールや燃えるもの、プラスチック、瓶、グラス、家電などに分けている。
いらなくなってもまだ使える家具や自転車、乳母車、家電、食器などは、誰でも共有できるようにしている。
屋根にはソーラーパネルがつけられていてそれでお湯を沸かして暖房に使っている。貝殻を敷き詰めて冷気を遮断したりしている。
ソーラーパネルだけではすべて補えないので、大きな湯沸かし機もある。藁を燃やして水を沸かし、床に張り巡らされたパイプの中にお湯を流し床暖房やお風呂などに使っている。
小さい子供のために公園なども充実していたり、農場もある。
☆12/14午前 デイケアセンター(老人ホーム)の「ハムレットセンター」を見学した。ここの老人ホームには約680人利用者がおり、建物は地方自治体から借りている。身体が悪いために公共の機関が使えなくてセンターに通えない人のために、タクシー券やその人の家の近所までバスで送り迎えをしている。なぜそのようなことをしているのかというと、デンマークでは医療費は基本タダなこともあって、通っている途中でもし怪我などしたら治療費などでお金がかかるので、タクシー券などのサービスをしたほうが安くつくからである。
このセンターには、約30ものサークルがある。例えば、パソコンや手芸や絵など。インストラクターはあまりいなくお年寄りで会費とかを集めて自主運営をしている。
サークルで作ったものはセンターの中にある売店で売っている。
センターの中には宿泊施設やトレーニングルームや旅行代理店や食堂など設備は充実していた。
しかし、デンマークでは、老人ホームに行くとすごくお金がかかるのであまり勧められていない。なので、できるだけ自宅で最期を迎えられるように、24時間態勢で自宅まで介護しにきてくれる。もちろん無料で受けられる。しかし時間があまりとれず、例えば30分くらいかかることを15分くらいでやらなければならない時がある。
あと、デンマークの福祉政策についても聴いた。
1997年デンマークの出生率がなぜか上がった。デンマークも1980年代は今の日本と同様、出生率は1,2くらいを推移していた。しかし、産休の手当てを充実することによって現在の出生率は1,9まで増加している。
なぜ、そうなったか
1 子供を出産するとある一定期間必ず産休をとらなければならないという法令を制定した。(日本は自己申告制であったと思うが、日本の場合、仕事を重視する傾向があるため産休の申告がしづらい)
2 産休は女性だけでなく、男性も取ることができる。しかも女性と男性の産休の比率は1:1までとはいかないが日本と比較しても大きい比率で男性も産休がとれる
3 産休の間も給料が働いている時の3分の2程度が支給される。また公務員は全額支給される。
そのような対策を行うことでデンマークの出生率は増加し、現在に至っている。
午後、IPCというフォルケホイスコーレ(国民高等学校)を見学した。
フォルケホイスコーレとは、北欧独特の成人教育機関で、人間教育も兼ねた寄宿制の学校だ。デザインや手芸、カヌー作り、陶芸、音楽、体操語学など様々なコースがある。入学試験や授業での試験や卒業証明もない。なので、人々は主に趣味の強化や、大学に行く前段階の、自分にその分野が合っているかどうかを試す場としてや、自分の視野を広げるために利用している人が多い。あと、先生と生徒がクラスの中で限りなく平等だった。
IPCは「国際」をテーマにしたフォルケホイスコーレだ。世界のさまざまな所から、先生や生徒が集まって来ている。もちろん日本人も何人かいる。授業でもプライベートでも話す言葉は英語を使っている。デンマーク語&文化、写真、音楽、演劇、国際政治、カヌー、陶芸、芸術コースなどがあり、いろいろな科目から週に28時間以上の授業を選択する。
夜、みんなでパーティーする部屋や体育館や音楽室などもある。
ゲームを楽しむ部屋もある。
廊下にはたくさんのポスターや写真やイベントの告知などが飾られている。これだけを見ても、ここに学びに来ている人はほんとに楽しく充実した時間を過ごせているんだなと分かってしまうくらいの雰囲気だった。
食堂はあるが、自分たちで料理を作りたいときのために、キッチンがある。机にもたくさんの落書きがある。
私たちは特別に授業を受けさせてもらった。私は合唱の授業を受けた。授業はすべて英語で行われていて、先生と生徒が一体となって進められていた。こういう風に授業が進められるのは、どちらも楽しみながらやっているからだと感じた。ステップを踏んで手拍子しながら歌を歌っていて、心から楽しめる授業だなと思った。
☆ 12/15 COP15の会議を見るのが私たちにとって最後の日となった。入場場限が始まったので、朝からかなり列ばないと入れない状況になっていた。
こっちに来てからずっと気になっていたことなんだが、やたら道にゴミが落ちている。パレードの日なんて道がタバコの吸い殻だらけだった。環境について話をしに来ているのに、ポイ捨てするとか矛盾していると思った。
この日は会場で「上を向いて歩こう」を歌いながら、パフォーマンスをした。いろんな国の人たちに写真やビデオを撮られたり、取材を受けたりした。
他の国の人もパフォーマンスをしていた。
会場にはこれまでよりもたくさんの取材陣がいた。会議が難航していたからと、あともうすぐ各国の首脳級の人がくるからだと思う。緊迫した空気がずっとこの日続いていた。
このツアーに行ってみて思ったことは、世界で一番環境について考えている場所に行って、いろいろな人の思いなどが肌で感じれて誰にも経験できないことができてほんとによかった。これからは、学生委員会の仲間やこのツアーがきっかけで出会った人たち、これから出会う人たちと共に、生協の組合員やそうじゃない人たちのためになるような環境問題についての行動していくつもりだ。

場所:デンマーク コペンハーゲン
期間:2009年12月10日—17日暖化防止COP15関西ネットワーク
COP15大阪府生協連代表団 
大阪教育大学生協学生委員会代表

松尾 有香


私は大阪教育大学生協代表として、12月10日から17日にかけてデンマークのコペンハーゲンでCOP15に参加させてもらうというツアーに行かせてもらった。初めて海外に行くということもあってワクワクしていた。
大阪からコペンハーゲンまでは、ドイツのフランクフルトで乗り継ぎをして約13時間かかり、かなりの長旅であった。
<スケジュール>
12/10 出国
12/11 終日COP15に参加
12/12 NGOのパレードに参加
12/13 エコビレッジ ムンクセゴーを見学
12/14 デイケアセンター(老人ホーム)とフォルケホイスコーレ(国民高等学校)を見学
12/15 終日COP15に参加
12/16,17 帰国
☆12/11この日初めてCOP15が開催されているベラセンターに足を踏み入れた。すると、会場にはたくさんNGOのブースがあり、自分たちの主張を説明していてかなりにぎわっていた。また政府関係者や報道機関の人たちもたくさんいて会場内は活気にあふれていた。COP15では、2013年以降の温暖化で深刻な被害を受ける途上国に対する先進国による資金支援策を決めるということもあり、途上国出身の人も多いなと感じた。
会議は12/7から始まっているので、もちろんこの日も会議が行われていた。しかし、コンタクトグループの会議(「共有ビジョン」「適応」「資金」「技術」「排出削減の緩和」「途上国による緩和」)や、条約AWG関係で「途上国の森林減少の防止(REDDプラス)」「途上国による排出削減」「全体の排出削減」「共有ビジョン」「適応」などの会議は非公開で交渉が進められていた。
☆ 12/12 午前中は会議を聞き、午後はパレードに参加した。パレードには5万人以上の世界の環境NGOや一般市民が参加していた。私はペンギンの着ぐるみの着て、約6キロの道のりを行進した。ほかの団体はバラードを歌って行進していたり、大声出していきなりしゃがみ込んで走り出したりする団体もいた。見ているだけで楽しくなるようなパレードだった。また、コペンハーゲンという町のある一点に、世界中から環境について関心がある人が集まっているっていうのはすごいことだなとそこに立って実感できた。
ちなみにこの日は日本が今回初めて化石賞1位を受賞した。化石賞というのは、その日の交渉でもっとも後ろ向きな発言や行動をした国に与えられる賞だ。なぜそのような賞を受賞したかというと、議定書AWGの場で議長が出した草案に対して、日本は主要な排出国が削減しなければ第2約束期間はやらないと発言したからだ
☆12/13 エコビレッジ ムンクセゴーを見学した。ムンクセゴーはデンマークに約100あるエコビレッジの1つだ。このエコビレッジは、若い人と老人と家族のグループにわけていて、約250人で共同生活している。グループでどうやったら持続可能に簡単でエコにくらせるかを話し合ったり、週3で一緒に食事したり、廃棄物処理・庭の手入れなどを話し合って決めていて、全く普通に暮らしていてもエコできるように考えている。共同生活なので人間関係のいろいろのために仲介役がいる。
ゴミの分別も行っている。段ボールや燃えるもの、プラスチック、瓶、グラス、家電などに分けている。
いらなくなってもまだ使える家具や自転車、乳母車、家電、食器などは、誰でも共有できるようにしている。
屋根にはソーラーパネルがつけられていてそれでお湯を沸かして暖房に使っている。貝殻を敷き詰めて冷気を遮断したりしている。
ソーラーパネルだけではすべて補えないので、大きな湯沸かし機もある。藁を燃やして水を沸かし、床に張り巡らされたパイプの中にお湯を流し床暖房やお風呂などに使っている。
小さい子供のために公園なども充実していたり、農場もある。
☆12/14午前 デイケアセンター(老人ホーム)の「ハムレットセンター」を見学した。ここの老人ホームには約680人利用者がおり、建物は地方自治体から借りている。身体が悪いために公共の機関が使えなくてセンターに通えない人のために、タクシー券やその人の家の近所までバスで送り迎えをしている。なぜそのようなことをしているのかというと、デンマークでは医療費は基本タダなこともあって、通っている途中でもし怪我などしたら治療費などでお金がかかるので、タクシー券などのサービスをしたほうが安くつくからである。
このセンターには、約30ものサークルがある。例えば、パソコンや手芸や絵など。インストラクターはあまりいなくお年寄りで会費とかを集めて自主運営をしている。
サークルで作ったものはセンターの中にある売店で売っている。
センターの中には宿泊施設やトレーニングルームや旅行代理店や食堂など設備は充実していた。
しかし、デンマークでは、老人ホームに行くとすごくお金がかかるのであまり勧められていない。なので、できるだけ自宅で最期を迎えられるように、24時間態勢で自宅まで介護しにきてくれる。もちろん無料で受けられる。しかし時間があまりとれず、例えば30分くらいかかることを15分くらいでやらなければならない時がある。
あと、デンマークの福祉政策についても聴いた。
1997年デンマークの出生率がなぜか上がった。デンマークも1980年代は今の日本と同様、出生率は1,2くらいを推移していた。しかし、産休の手当てを充実することによって現在の出生率は1,9まで増加している。
なぜ、そうなったか
1 子供を出産するとある一定期間必ず産休をとらなければならないという法令を制定した。(日本は自己申告制であったと思うが、日本の場合、仕事を重視する傾向があるため産休の申告がしづらい)
2 産休は女性だけでなく、男性も取ることができる。しかも女性と男性の産休の比率は1:1までとはいかないが日本と比較しても大きい比率で男性も産休がとれる
3 産休の間も給料が働いている時の3分の2程度が支給される。また公務員は全額支給される。
そのような対策を行うことでデンマークの出生率は増加し、現在に至っている。
午後、IPCというフォルケホイスコーレ(国民高等学校)を見学した。
フォルケホイスコーレとは、北欧独特の成人教育機関で、人間教育も兼ねた寄宿制の学校だ。デザインや手芸、カヌー作り、陶芸、音楽、体操語学など様々なコースがある。入学試験や授業での試験や卒業証明もない。なので、人々は主に趣味の強化や、大学に行く前段階の、自分にその分野が合っているかどうかを試す場としてや、自分の視野を広げるために利用している人が多い。あと、先生と生徒がクラスの中で限りなく平等だった。
IPCは「国際」をテーマにしたフォルケホイスコーレだ。世界のさまざまな所から、先生や生徒が集まって来ている。もちろん日本人も何人かいる。授業でもプライベートでも話す言葉は英語を使っている。デンマーク語&文化、写真、音楽、演劇、国際政治、カヌー、陶芸、芸術コースなどがあり、いろいろな科目から週に28時間以上の授業を選択する。
夜、みんなでパーティーする部屋や体育館や音楽室などもある。
ゲームを楽しむ部屋もある。
廊下にはたくさんのポスターや写真やイベントの告知などが飾られている。これだけを見ても、ここに学びに来ている人はほんとに楽しく充実した時間を過ごせているんだなと分かってしまうくらいの雰囲気だった。
食堂はあるが、自分たちで料理を作りたいときのために、キッチンがある。机にもたくさんの落書きがある。
私たちは特別に授業を受けさせてもらった。私は合唱の授業を受けた。授業はすべて英語で行われていて、先生と生徒が一体となって進められていた。こういう風に授業が進められるのは、どちらも楽しみながらやっているからだと感じた。ステップを踏んで手拍子しながら歌を歌っていて、心から楽しめる授業だなと思った。
☆ 12/15 COP15の会議を見るのが私たちにとって最後の日となった。入場場限が始まったので、朝からかなり列ばないと入れない状況になっていた。
こっちに来てからずっと気になっていたことなんだが、やたら道にゴミが落ちている。パレードの日なんて道がタバコの吸い殻だらけだった。環境について話をしに来ているのに、ポイ捨てするとか矛盾していると思った。
この日は会場で「上を向いて歩こう」を歌いながら、パフォーマンスをした。いろんな国の人たちに写真やビデオを撮られたり、取材を受けたりした。
他の国の人もパフォーマンスをしていた。
会場にはこれまでよりもたくさんの取材陣がいた。会議が難航していたからと、あともうすぐ各国の首脳級の人がくるからだと思う。緊迫した空気がずっとこの日続いていた。
このツアーに行ってみて思ったことは、世界で一番環境について考えている場所に行って、いろいろな人の思いなどが肌で感じれて誰にも経験できないことができてほんとによかった。これからは、学生委員会の仲間やこのツアーがきっかけで出会った人たち、これから出会う人たちと共に、生協の組合員やそうじゃない人たちのためになるような環境問題についての行動していくつもりだ。